「ゼロ知識証明」とは、1985年に米国MITのGoldwasser、Micali、及びトロント大学のRackoffにより提案された概念であり、ある情報を保有していることをその内容を示すことなく相手に納得させる方式を示す。ゼロ知識のゼロとは、情報が一切漏洩しないという意味であり、ゼロ知識証明は、理論面での進展に伴ってセキュリティ技術としての応用面でも著しく進展している。ゼロ知識証明を利用した相手認証方式(パスワードを提示せずにパスワードを知っていることを証明できる)や電子印鑑方式等が提案されており、重要なセキュリティ技術のひとつとして挙げられる。